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長野県安曇野市豊科4312-6
奥村ビル2F
TEL.0263-73-2901
FAX.0263-72-3181
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賈黎静(カレイセイ)さん来日
賈黎静(カレイセイ)さん来日
ロータリアンの皆様
こんにちは、私は元米山奨学生の賈 黎静と申します。
2001年、私は信州大学医学部に入学しました。生活費の高い日本での留学生活は、私費留学で来た私にとって、最初の二年間は確かにそんな甘いものではありませんでした。2004年、医学博士課程3年生のわたしは、勉強がすごくいそがしくて、アルバイトをする暇はなく、経済的な困難に直面していました。その時、ロータリー財団が支援の手を私に差し伸べてくださいました。それは経済面の支援ばかりだけでなく、精神面でも大きな支えとなりました。米山奨学会の支援がなければ、進学を諦めて帰国していました。今でも深く感謝していて、直接お礼の言葉を伝えられる機会を探していました。今回のプログラムの一環で、数年ぶりに第二の故郷長野県へ帰り、お世話になったロータリアンの皆様にお会いでき、本当にこころから嬉しく思います。
お蔭様で、私は二年間、勉学に専念して、第一作者として四つの医学論文を発表し、卒業論文はアメリカのJournal of Cardiovascular Researchで発表しました。いくつかの良い論文を発表したため、2006年3月の卒業後は、アメリカのDuke大学に就職しました。Duke大学はアメリカで最も有名な大学の一つです。南方のhawardと呼ばれます。そこには、世界の有名な科学者が集まっています。私は2003年のノーベル化学賞授賞者Peter Agre の研究室で働きました。私の研究は「糖尿病足の病理機制と新しい治療方法の発現」です。糖尿病足は最も深刻な糖尿病合併症の1つで、糖尿病の深刻な合併症です。「足病変」とは足の潰瘍(かいよう)や壊死(えし)です。原因は動脈硬化が進み足の先の血流が悪くなる、末梢神経の働きが低下すると抵抗力が低下し感染しやすくなることです。手足切断と死亡の高発要素です。患者と家庭に大きい苦痛をあたえ、社会には重い経済的負担をもたらします。 三年間で私と研究室の皆様の協力で、いくつかの糖尿病足の病理機制を解明しました。それによって、幹細胞治療、遺伝子治療などいろいろ有効な治療方法が見つかりました。
現在、私の故郷中国には9240万人の糖尿病患者がおり、インドを超え、世界最多の糖尿病患者を抱える国になっています。日本の糖尿病有病数は約890万人とされており、これに比べると中国の糖尿病人口がいかに巨大であるかをうかがい知ることができます。さらに恐ろしいことに糖尿病が疑われる人の60.7%が診断も治療も受けていません。
糖尿病が増加した背景として、中国の急速な経済発展と、農村部から都市部への人口流入によりライフスタイルが変わり、高エネルギー、高脂肪、高塩分の食生活が好まれるようになったことや、運動不足が指摘されています。恐ろしいことに糖尿病が疑われる人の60.7%が診断も治療も受けていないということです。
私は糖尿病足病変の診断と治療を効果的に進めるために、2008年末に中国に帰国しました。今、私は河北医科大学第三附属病院糖尿病足科の創始者として、課室を創立しています。今年の十月から、この課室を運営し始め、患者を受け入れます。将来、私は手足切断に直面する糖尿病足患者を救うために努力します。
私がここまで辿りつけたのは、私一人の努力だけではありません。恩師の鞭撻、家族の理解、特にロータリアンの皆様の応援があったからこそ自分の今日があると思っています。
2009年に、中国で米山学友会が設立されました。
われわれ米山学友は、どんなに歳月を経てもお世話になった気持ちを忘れません。“米山”という山のふもとで、太陽が照ればポカポカと、雨が降ればしとしと、風が吹けばそよそよ…という幸福の地をずっと散歩しているようです。
私たち米山学友にとって、米山奨学会やロータリアンの皆さまのご恩は一生忘れる事はできません。
このご恩に報いるため、今後は他の人々に奉仕を行い、ロータリーの奉仕の精神と、日中交流を広げる機会に貢献して行きたいと思います。
以上
ご静聴、どうもありがとうございます。
賈 黎静
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